- 介護士の認知症対応のコツ
- 認知症利用者への声掛けのポイント
- 興奮した認知症利用者を落ち着かせる方法
- 介護士で認知症対応が難しい声
- 介護士の認知症対応の注意点
をまとめました。
介護士の認知症対応のコツは?
認知症がどんな病気なのかを知ること
知らない食材を渡されて、料理してと言われても困りますよね。
知らなければ、どう対応したらいいのか、わからなくて当然です。
認知症には、いくつか種類があり、症状の出方もそれぞれ特徴があります。特徴を理解しそれぞれに応じた対応が必要になります。
知っておきたい4大認知症
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 脳血管性認知症
- 前頭側頭型変性症(ピック病)
気持ちに余裕をもつ
認知症対応に限ったことではありませんが、気持ちに余裕がないと、表情もこわばり、言葉もきつくなってしまいます。
特に認知症の方は理屈はわからない一方で、感覚は鋭く、嫌だと感じると介護を拒否したり、暴言や暴力といった周辺症状が出現したりする可能性があります。
介護士の認知症利用者への声掛けのポイントは?
初めて接する人という意識をもつ
あなたは相手のことを知っていても、相手はあなたのことを忘れてしまっているかもしれません。
知らない人から、「○○さん、トイレ行くよ」なんて声をかけられたら、どう思いますか?
まずは挨拶、そして体調を確認したり、季節の話題にふれたり、初めて接する人という意識をもって丁寧に声をかけましょう。
目線に注意する
認知症の方は視野が狭くなっている場合があります。
座っている人に上から声をかける、背後から声をかけるとびっくりしてしまい、混乱を招く原因となることがあります。
目線を合わし、ゆっくりと声をかけましょう。
依頼する気持ちをもつ
何かをお願いする場合は、
- 指示「~してください」
- 禁止「~してはダメ」
- 強要・詰問「どうして~したの」
- 命令口調「~しなさい」
は避け、
「~しましょう」
などあくまでも依頼する姿勢で接することが大切です。
介護士で興奮した認知症利用者を落ち着かせる方法
否定しない
認知症の記憶障害の特徴は、記憶が抜け落ちることです。特に直前の記憶からなくなることが多く、ヒントがあっても思い出せない点が、物忘れとは異なります。
つい先ほど、食事を終えたばかりなのに、「ごはん食べていない」と介護士に詰め寄るなんてシーンありませんか?
「先ほど、食べましたよ。今日は魚の煮つけとほうれん草のおひたしとみそ汁と」などとヒントを出しても、「いや、食べていません。なんであなたは私に意地悪するの」と思い出してはくれません。
否定すると、あなたは私に意地悪をする人と認識され、混乱を助長します。まずは、否定せず、相手の話をそのまま受け入れてみましょう。
話題を変える
忘れてしまうという特徴を生かし、話題を変えてみましょう。
例えば、ご飯のことに固執する場合
「お腹がすきましたか?何か食べたいものはありますか?」
などと話を合わせながら、
「料理はされるのですか?お子様たちに好評だった料理とかありましたか?」
と少しずつ話をずらし、
「お子様は何人いらっしゃるのですか?一番の思い出って何ですか」
と自分が輝いていた時代に話題を誘導するのも一つの方法です。
介護士で認知症対応が難しい声
- 同じ質問・話を何度も繰り返す。
- 説明しても理解してもらえない。
- トイレの要求が頻回にある。
- 介護を拒否し、暴力行為がある。
- 介助時に大声を出される。
- 異食行為・不潔行為。
- 徘徊、歩けないのに歩こうとする。
- 夜間せん妄、不眠。
介護士の認知症対応の注意点
今すぐ、解決しようとしない
何時までにしないといけないと考えると、対応が雑になってしまいます。
入浴を嫌がっている人を無理に浴室に誘導したり、トイレに行きたくない人を無理やりトイレに連れて行ったりすると、さらに対応が難しくなります。
時間を空けて対応をする。今、風呂に入らなくても、今、トイレに行かなくても、「まぁ、いいか」くらい気持ちに余裕をもって対応してみましょう。
一人で、なんとかしようとしない
よかれと思って介護したのに噛みつかれたり、つねられたりすれば誰だって腹が立ちます。自分でなんとかしなければと頑張りすぎると疲弊してしまいます。
他のスタッフに対応を変わってもらう、できることは一人でやってもらうという視点も大切です。
まとめ
- 認知症対応のコツは、認知症を知り、気持ちに余裕をもって。
- 声かけのコツは、目線を合わせ、命令口調にならないよう敬意をもって丁寧に。
- 興奮した認知症利用者の対応は否定せず、気持ちに寄り添いましょう。話題を変えるのも効果的。
- 徘徊に暴力行為、説明しても理解してもらえない。認知症対応は難しい。
- 認知症対応の注意点は急がず、焦らず、一人で抱え込まず。
認知症には特効薬はありません。同じ対応をしても日によって、効果があったりなかったりします。日々の声かけや環境づくりが大切です。
興奮した利用者の対応を行う際は、遠くから視界に入り、少しずつ近づきましょう。いきなり近づくと暴力を受けることがあります。時には引くことも大切です。
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