介護職員で事故を起こして落ち込む前にすることは?責任や報告しないデメリットも徹底解説!

事故を起こした介護士

介護士介護士
介護職員で事故を起こして落ち込む前にすることは?
介護職ダッド介護職ダッド
事故の対応をしたら上司に報告しよう。隠したり放置したりすると、後で大変なことになる場合もあるよ。
  • 介護職員で事故を起こして落ち込む声
  • 介護職員で事故を起こして落ち込む前にすること
  • 介護職員の事故の責任
  • 事故を報告しないデメリット
  • 介護職員が事故を防ぐポイント

をまとめました。

介護職員で事故を起こして落ち込む声

落ち込む介護士

 

介護の仕事を辞めたくなる

 

介護の事故を起こすと

「もう介護なんかやりたくない」

「自分は介護に向いてないんだ」

と思ってしまいがち。

いつも一生懸命がんばっているだけに、ちょっとしたミスや、自分ではどうにもできない原因で事故が発生したら、落ち込んでしまいますね。

ですが、報告をしなかったり、事故を隠すのは無責任です。できる限り速やかに事故に対応して、上司に報告しましょう。事故を報告する事は、自分や利用者、事業所にとって大きなメリットがあります。

 

介護職員で事故を起こして落ち込む前にすることは?

適切な対処をする

処置の道具
最初にきちんとした対処ができていれば、その後の対応や治療がスムーズに進みます。転倒、転落の事故であれば、

  • 他の介護職員や看護職員への報告、助けを求める。
  • 頭を打っていれば意識状態の確認
  • けがや痛みの確認
  • 腕や足を動かせるか、動かしたときに痛みはないかの確認
  • バイタルサインの測定(血圧や体温など)

などの対応を行います。適切な対応を行えれば、状態の悪化を防げ、事故が大きな問題とならない可能性もあります。

事故が起こると、パニックになって頭が真っ白になることもあるでしょう。

最低でも事故が起きたら他の職員に助けを求めることは、頭の片隅に入れておくことが重要です。

 

上司に報告する

上司にある程度の責任を移すことができます。

また、事業所が事故の対応行うには、現場の職員から上司への報告が必要不可欠です。上司に報告がいくと、事業所は必要に応じた対応を行います。

  • 事故の状況を家族に説明して説明して謝罪する
  • 入院するための手続きをとる
  • 同じような事故が起きないように対策を立てる

事業所として素早く対応することができれば、事故が起こったとしてもあまり大きな問題にならないことがほとんどです。

上司に適切な報告ができれば、それだけで良い評価をされることもあります。報告のタイミングは、できれば事故の対応と同時。少なくとも報告を翌日に持ち越すことはやめましょう。

 

記録を残す

あなたが適切な対応を行った証明になります。事故の内容や行った対応が伝わるような記録を残しておけば、責任を問われることはまずないでしょう。

事故の記録を書く際に注意したいことは、4つあります。

  • 見たままのこと、聞いたままのこと、実際に行ったことを書く(客観的な事実)
  • 自分が考えたことや思った事は書かないか、書くとしても文章の最後に書く
  • 「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「なぜ」「どうした」がわかるように書く
  • 専門用語は使わずに、介護の知識がない人が読んでもわかるように書く

ちゃんとした記録が残っていれば、話がこじれて裁判に発展したとしても、無罪を証明するための有力な証拠になります。

自分の身を守るためにも、事故の記録はしっかりと行いましょう。

 

介護職員の事故の責任は?

介護職員個人の責任

利用者や家族に誠意をもって対応する

説明する介護士
事故を起こしてしまったら、利用者や家族に

  • 事故を起こしてしまった事への謝罪
  • 事故発生時の状況の説明
  • 再発防止に向けた取り組みの報告

などの対応をする責任があります。事業所が代わりに行ってくれる可能性もありますが、本来は自分の役割と理解しておきましょう。

誠意をもった対応を行っておかないと、後からクレームが入ったり、関係がギクシャクすることも。

家族も介護現場での事故は、ある程度仕方がないと考えている場合が多いです。誠意をもった対応をすることで、家族が対応に納得し、信頼してもらえる可能性もあります。

 

事務所の責任

法的な責任を取る

事業所が問われる法的な責任には

  • 民事責任(損害賠償を払う責任)
  • 行政責任(介護保険制度で定められた責任)
  • 刑事責任(事件として裁判を受ける責任)

の3つがあります。重大な事故になると

  • 利用者や家族へ数千万円の賠償金を支払う
  • 指定事業者取り消し処分により事業所が消滅する
  • 業務上過失致死傷罪などの刑事罰の対象となる

可能性もあります。事業所の経営が傾いてしまう場合もあるでしょう。事業所が潰れてしまえば、雇われている職員は路頭に迷ってしまいます。

基本的に介護職員個人が法的な責任を問われることはありませんが、事故を軽く考えることはできません。また当然ですが、虐待や悪意を持って起こした事故に関しては、介護職員個人が法的な責任を追及される場合もあります

>>>【参考】老人ホームマップ 介護事故には責任と賠償が問題となります
>>>【参考】スター行政書士事務所 【介護事故】介護職員は責任を負うか?

 

介護事故の具体例

転倒事故の事例

実際に死亡事故にもつながる事例もあるので、注意

安心と安全の介護士
ある転倒事故の事例です。介護士の一瞬の判断ミスにより、利用者の死亡事故が発生してしまいました。

転倒事故の背景

  • 利用者A(要介護4)
  • 1年前の骨折で入院してから歩行が不安定
  • 四点杖を使用しながら歩行していたが杖を使用しても転倒リスクあり
  • 歩行や立ち上がりには介助を要する
  • 事業者Yが開設する特別養護老人ホームのショートステイを利用
  • 介護士Zが利用者Aをホームから自宅へ送迎した際に転倒事故が発生
事故の詳細
介護士Zが雨が降っている中で、左手で傘を差したまま、右手で利用者Aの脇を支えて、階段の昇降を介助する。最初は4点杖を使用して、階段を登るよう促すも、途中で杖の使用をやめて、手すりを持って登るように指示する。不要となった4点杖を受け取るために、利用者Aの右脇から手を離した際に、利用者Aがバランスを崩して後ろに転倒する。頭部を道路に打ち付け、脳挫傷により死亡する。

この事例では裁判所から事業者Yに1050万円の損害賠償命令が出ました。争点のポイントは安全配慮義務です。具体的には

  • 転倒を予想する事はできなかったのか?
  • 転倒を回避する対応を行えたのではないか?

2点となります。事例では転倒リスクの高いAさんを滑りやすい雨の中で介助しています。

転倒事故は予想することができますね。介護士ZがAさんの右脇の下から手を離さずに、バランスを崩した際に適切に支えていれば、転倒は防げたはずです。よって安全配慮義務に違反すると見なされてしまいました。

利用者の安全を最優先できなかった結果、一瞬の判断ミスにより死亡事故が発生してしまったと言えます。

>>>みんなの介護 介護職員が目を離した隙に…。他人事ではない転倒・転落事故!その事故は誰の責任?防ぐ方法は?キーワードは予見と回避の可能性

 

誤嚥事故の事例

確認を怠り、大きな誤嚥事故へ

誤嚥事故の事例です。介護士が決められた対応を行わなかったことにより、重度の障害が残る事故が発生してしまいました。
事故の背景

  • 利用者X(要介護4、認知症、パーキンソン病)
  • 特別養護老人ホームYに入所
  • 入所時は食事を自力摂取していた
  • しばらくして自力での摂取量が低下し、要介護4になる
  • 主治医より食事全面介助と誤嚥に注意の指示あり
  • ケアプランに食事前後に口腔内を確認することの記載あり
  • 介護士Zが食事介助をした際に誤嚥事故が発生
事故の詳細
介護士Zが利用者Xの夕食の介助をしている際に、しゃっくりが出始める。まだ食べる身振りをしたため食事介助継続。さらにしゃっくりが強くなっ際に、もういらない身振りをしたため介助を中止する。介護士Zは口腔内の確認をすることなくその場を離れる。しばらくしてから、利用者Xが苦しそうに汗をかいている様子あり、看護師が吸引機にて米粒状の残差物を吸引する。救急搬送され一命を取り留めるも、低酸素脳症の後遺障害が残ってしまった。

この事例では裁判所から特別養護老人ホームYに約1960万円の損害賠償命令が出ました。今回の争点のポイントも安全配慮義務です。具体的には

  • 誤嚥を予想する事はできなかったのか?
  • 誤嚥を回避する対応を行えたのではないか?

2点です。誤嚥の予想は

  • Xの食事の摂取状態が急激に悪化していること
  • 主治医が誤嚥注意としていること
  • 食事のタイミングでしゃっくりが出ていること

から可能だと考えられます。

対応については、ケアプランに食事前後に口腔内の確認が記載されているにも関わらず、介護士Zは確認を行わなかったとのことです。

よって介護士Zは安全配慮義務に違反すると見なされてしまいました。決められた対応を行わなかった結果、不注意により発生してしまった事故だと言えます。
>>>みんなの介護 死亡につながりやすい誤嚥事故!介護士が義務違反となるポイントは?弁護士が過去の判例を用い徹底解説!

 

介護職員が事故を報告しないデメリット

問題が大きくなる

大きな問題に困る家族
対応が後手に回ることで、

  • 適切な処置が行われなかったことにより、状態が悪化して死亡、または後遺症が残る
  • 報告や謝罪をする前に、家族が事故で発生したケガを発見してクレームが入る
  • 大きなケガや症状が発生した場合、事業所が原因を突き止めようとする

事があります。初動の対応が早ければ、問題が大きくならないばかりか、問題自体が発生しない場合もあるでしょう。事故を報告しなくても、結局は自分が事故を起こしたことがばれてしまう可能性が高いです。

原因不明の外傷があったり、家族からクレームが入ったりすれば、現場の職員が細かな対応を求められて、負担増になってしまう場合も。事故を速やかに報告することで、自分たちの負担を最小限にすることにもつながります。

 

発覚した際に評価が下がる

事業所に不利益をもたらす職員だと認定されます。早めの報告があれば、問題になる前に事故を処理できる場合もあるでしょう。ですが、報告がない事により問題が大きくなってしまった場合は、

「どうしてもっと早く言わなかったんだ」

「報告しないから対応できなかったじゃないか」

となるわけです。仮に大きな問題が発生しなかった場合でも、

「こいつは次に事故を起こしても、また報告をしないんじゃないか?」

と疑われます。事故を報告し逆に信頼を得て、評価される場合もあると頭に入れておきたいですね。

 

より大きな事故につながる可能性がある

介護職員が報告を行わないことにより、ヒヤリ・ハットや軽い事故が表面化されず、大きな事故に発展する可能性が。これをハインリッヒの法則と言います。

「ハインリッヒの法則とは?」
ヒヤリ・ハットの積み重ねが軽い事故の原因となっていて、重大な事故はヒヤリ・ハットや軽い事故の積み重ねによって発生する。
1件の重大な事故には、29件の軽い事故、300件のヒヤリ・ハットが隠れている。

昔の損害保険会社の人が考えた法則ですが、厚生労働省が今も推奨する考え方です。ヒヤリ・ハットや軽微な事故の報告を数多く集めて、対策を立てる事で重大な事故を防ぐことを目的としています。比率や数字はあまり重要ではありません。

ハインリッヒの法則は介護現場にも応用されています。介護職員が事故を報告する事は、より重大な事故を防ぐ役割もあるのです。

>>>【参考】【ハインリッヒの法則】ヒヤリ・ハットを防いで交通事故を回避せよ!
>>>【参考】厚生労働省 職場の安全サイト

 

介護職員が事故を防ぐポイント

ケアの準備をしっかりと行う

点検する介護士
慌てていたり、普段と違うことをしたりすると、事故が起こる可能性が大きく高まります。準備の際のチェックポイントは3つ。

  • 必要な物品はそろっているか
  • 安全な環境が確保されているか
  • 手順や注意点は理解しているか

できるだけいつもと同じ条件、同じ動作でケアを行える状態がグッドです。

 

しっかりと情報を確認しておく

初めて会う利用者や、あまり接したことのない利用者のケアは、事故のリスクが大きいです。

できる限り事前に情報を集めておいて、ケアの最中に思いがけないことが起きても対応できるようにしておきましょう。具体的なチェックポイントは3つ。

  • 他の職員の対応方法
  • 認知症の有無と理解力
  • 骨折や麻痺などの身体の特徴

頭に情報が入っているだけで、いざという時に慌てずに済みますし、適切な対応を行うことができます。

逆に情報がなければ無理なケアを行って、事故を引き起こすことにつながるでしょう。

 

自分の体調に気を付ける

どんなに準備をして、情報を集めていても、自分がフラフラでは実力を発揮できません。体調が悪い時は判断力や注意力も低下してしまいます。常に絶好調な時に介護をするのは難しいです。ですが、自分が安全にケアできる状態なのかを頭の隅で考えられるとグッドです。体調が悪くてもケアしなければいけない場合は

  • 脱水の可能性があるので水分を取る
  • 他の職員に応援を依頼する
  • 休み休み仕事をする

といったことを心がけると、少しだけ事故の可能性が減ります。一番良いのは、体調不良の時は思い切って休むことです。

事故を起こしてしまうと自分の為にも、利用者の為にもなりません。

 

まとめ

  • 介護職員は事故を起こすと落ち込む場合が多いが、報告をする責任がある
  • 事故を起こして落ち込む前に行うことは、適切な対処、上司への報告、正確な記録の3点
  • 介護事故の責任は、介護士個人には誠意を持って対応する責任、事務所には法的な責任がある
  • 介護事故の具体例には転倒、誤嚥があり、介護士は安全配慮義務を守る必要がある。
  • 事故を報告しないデメリットは、問題が大きくなり、自分の評価が下がり、新たな重大事故につながる可能性があること
  • 事故を防ぐためには、準備をしっかり行い、情報を収集して、自分の体調に気を付けることが大切
 

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