介護職に労働組合はある？相談する時の3つのコツ

• 介護職に労働組合はある？調べてみた
• 労働組合に相談する時のポイント
• 介護職が労働組合に入るメリットデメリット

をまとめました。

 

介護職に労働組合はある？調べてみた

日本介護クラフトユニオン

介護業界だけの唯一の労働組合

日本介護クラフトユニオンは、企業内に組織される労働組合ではありません。

同じ職業に就く人が、会社を超えて組織する職業別労働組合です。

加入するには、

• 介護業界で働いている
• 他の労働組合に加入していない

ことが条件です。

各会社の個別交渉にとどまらず、

• 国や自治体、業界全体も交渉相手に
• 環境の整備・改善、向上を進める

とても強力な労働組合です。

個人で介入する事も可能で、月に1,500円の組合費が必要です。

＞＞日本介護クラフトユニオン【公式サイト】

 

医療・介護・福祉ユニオン（日本医療労働組合連合会）

日本で唯一の医療の産業別労働組合

全国で約17万人が加入する労働組合です。設置主体や企業規模の違いをこえて、医療や福祉の職場で働く労働者が加入します。

医労連に加入がない職場で働く人は、個人でも医療・介護・福祉ユニオンに加入することが出来ます。

組合費は、月に1,000円で、そのうち500円は共済の掛け金になります。

＞＞日本医療労働組合連合会【公式サイト】

 

全国福祉保育労働組合

日本で唯一の福祉・保育・介護の専門の労働組合

• 民間の保育所
• 高齢者介護
• 障害者福祉

の職場で働く方の労働組合です。

福祉や保育の職場で働く人なら、誰でも一人から入ることが出来ます。

• いきいきと働ける職場づくり
• 安心して働ける賃金
• 適切な労働条件の確保

に向けて国や自治体に向けて、福祉予算の拡充や制度の改善を求めた運動をします。

組合費は、

• 正規職員は基本給の1.5％
  
• 闘争費が月に100円

になります。

＞＞全国福祉保育労働組合【公式サイト】

 

介護職の労働組合に相談する時のポイント

労働条件に関する相談は書面で確認

介護施設の運営は、小さな法人もたくさんあります。

小さな法人であっても、働く介護職の権利は法律で守られています。

• 労働条件は書面で理解するまでチェック

することが、トラブル防止にもなります。

労働条件と異なる場合は、キチンと相談をした方がよいと思います。

 

働いた時間を正確にメモ

賃金の不払いなどは、労働時間の記録が証拠になります。

労働組合に相談する時にも、最初に確認されることが多いです。

普段から、サービス残業や残業代の未払いがある場合は、その都度、記録を残したほうが良いですね。

記憶は不正確もあります。また、誤った記録が一つでもあると、信憑性がなくなるので、正確に残しましょう。

 

パワハラやセクハラは録音も有効

パワハラは、「言った」「言わない」などの問題になりやすいもの。

出来れば、録音しておくと、いざと言う時に自分の身を守ってくれるんですね。

今は、スマホでも録音機能があるものもありますので、手軽に録音が可能ですよね。

ただし、難しいのは「パワハラ」なのか「指導・教育」なのか、労働組合は”文句”を言う場所ではありません。

あくまでも客観的に、判断が出来る証拠があると話がスムーズになります。

 

介護職が労働組合に入るメリットデメリット

メリット

職員の意見を取りまとめて交渉してくれる

職員の要望を取りまとめ、意見を集約して経営者と団体交渉を行います。

一職員が個別に交渉するには、限界があります。労働組合は、組合員を代表して、協議を行ってくれます。

 

労働法や他施設の情報などの情報が手に入る

労働組合は、他の施設や労働組合との横の繋がりを、非常に大事にします。

そのため、業界の様々な近況（賃金や待遇など）を知ることが出来ます。

また、一個人では労働基準法などの情報に、疑問を持った場合に、自分で調べなくてはなりません。でも、労働組合員なら、法的な情報も発信してくれます。

 

他の労働組合と様々な交流を持てる

労働組合は、他の労働組合と交流を持つことが多くあります。

仕事の事や待遇の改善ももちろんですが、多くの仲間と交流を持つことが出来ます。

デメリット

労働組合費が必要になる

労働組合により金額は異なりますが、組合費が必要になります。

使われ方も様々で、

• 闘争費
• 共済の掛け金
• 組合の運営

に使われることになります。

 

組合の役割を任せられる場合が

労働組合は、会社ではなく任意の団体なので、運営も労働組合員が行うことになります。

小さな組織では、活動も自分達で行います。そのため、書記長や会計などの役割を任せられる場合があります。

 

労働組合の運動に動員させられることも

労働組合によっては、様々な運動を行う場合があります。

• 平和活動
• 待遇の改善を求めるデモ行進

など、テレビなどで見たことはありませんか？

そのような運動を通じ、
労働組合の意見を主張する場へ、参加要請されることも。

 

労働組合でストライキを保障してくれる？

ストライキは労働組合の権利！

ストライキを行うことは、労働組合の権利として認められています。

ただし、ストライキを行う間は賃金が支払われません。そのために、労働組合では”闘争費”などの名目で、組合費で積み立てる場合もあります。

また、介護の現場、特に施設の場合は、24時間入所者の対応を行わなくてはいけません。

利用者の生活を考えると、完全に仕事を放棄することがなかなか難しいかもしれません。

できる限り、ストライキという手段ではない形で、労働組合の要求を経営者が理解して貰える関係を、築いておきたいものですね。

 

まとめ

• 介護職が加入できる労働組合がある
• 労働条件は必ず書面で確認。労働時間は正確に残しておく
• 労働組合に入るにもメリットデメリットがある

 

介護事業は、ブラック企業のような場所もあります。

でも、介護報酬は年々削減され、事業所運営も厳しい状況も大きな原因です。決して、経営者が搾取や、怠慢な事業所ばかりではありません。

労働組合と経営者が、手を取って高齢者のために良いサービスを提供できる体制を、国全体で作る必要があるんですね。